2015年11月17日火曜日

福祉とモノづくりと、モノを売ること

11月にしては異例の暖かさが続く、高野山の朝です。
店主は、「この時期でこんな暖かいのは、俺が(四国・高知から)高野山に来てから初めて」と言ってます(・・;)



さて記事タイトル(壮大なテーマやな~(^_^;))。私は、障がい福祉(障がいのある人たちの福祉)分野の出身で、その中でもNPO(公益性のある事業活動をする法人・団体)、あるいはそれに近い仕事に携わっていた時期が長いです。

私、ATSUKO(山本敦子)のかなり風変わりなプロフィール(笑) はこちら→ http://uniqueness.sblo.jp/

来年以降、「ひぐらしで美術作品や雑貨を展示販売しよう」と決めたとき、私は個人でよいモノを作られている方が、ここ高野山に世界・日本の各地から来られるお客さまに、すてきな記念の品を買って帰っていただける機会を創れる、実に楽しみな仕事だな♪♪・・・ と、趣味と仕事を本気で兼ねられる企画に、わくわくしました。

ただ、私は20年前から障がい福祉の現場にかかわっていますので、障がいのある人が通う施設で作っておられる製品も、ひぐらしで扱わせてもらうことができるなら、もちろんそれもよいな、とは考えています。

今回、「作品・雑貨を展示販売する」ということで、私が真っ先に思いだしたのが、10年くらい前に、私が手伝っていた京都市内の精神障がいの人たちが働くNPOでのこと。
そこでは、「1個何円」かといえば本当に単価の低い下請け作業、清掃業など、いろんな仕事を、心の病を患った方がしていましたが、京都らしい和の雑貨も、本格の素材をうまく生かした方法で、生産・販売しておられました。(昔、「自主製品」と呼んだものですね★)

あるとき所長さんが、私もとてもよい品だと思っていたその和雑貨について、
「これを関空で売れないか。(なぜ、障がいのある人たちが作った製品ばかりが置いてある場所でしか、販売できないのか)」とおっしゃいました。
私は関空でまさに仕事をしている人が身近にいたので、関空にその和雑貨で出店することは可能か、その人にきいてみました。関空は競争が激しいので、出店はまず無理だ、とのことでした。

今も、当店のインテリアとして、そのNPOさんから10年前に購入した和雑貨を使わせていただいているのですが(早くご連絡して、新しいのに買い替えなければ!!(^^ゞ)、
・・・私もいつも思ってきたのですよ。

「そもそも、『障がいのある人たちが作った製品です』という説明(枕詞?)は、いらないんじゃないか。フツーに売ればいい」と。

また、そのNPO事業所の別の職員さんは、
「私はこういうの(和雑貨の手作り・販売)は、余興ぐらいにしか思ってないけどね。(1個何円にもならない地味な労働をすることのほうが、大事なことだ)」ともおっしゃっていて、私は労働に対する職員さんたちの意識の高さに、共鳴したものでした♪

「障がい福祉の先端」京都市から、「まるで別世界」の高野山に移住してきて、「私は福祉に携わるのを、ついにやめたのか?」と、ときどき自問します・・・ でも、実はやめたつもりは毛頭、ないのです♪(しぶといな~(^^ゞ)
お客さまの楽しみ、しあわせに貢献できるモノ(飲食、こうやまき、高野山の一風景)をご提供する仕事なら、それは福祉だ、と思っていますから(^.^)

(当店で根強い人気のチーズトースト☆ 300円↓)



私が20年前から見てきたような、旧来の「狭い世界」で、「障がいのある人たちばかりで集まってモノを作り、売る」必要性は、もう減ってきているのじゃないか。

少なくともここは、ひろく旅行・参拝の方が普遍的な魅力を感じて来られる「世界遺産・高野山」ですから(*^_^*) 高野山の「世界」にあって、だれも特別扱いされる必要はないし、してもらえることもないのです。



0 件のコメント:

コメントを投稿